背景

私は情報セキュリティの研究を行っており、主に公開鍵暗号、特に楕円曲線暗号や同種写像暗号に興味があります。研究の延長線上でセキュリティ関連の資格に関心を持ち、IPAの「 情報処理安全確保支援士試験 」を受けてみることにしました。

きっかけは、前年度に 応用情報技術者試験 に合格して午前Ⅰ試験が免除になっていたこと。そして、履歴書の資格欄を埋めたいという就活的な事情もありました。問題集を眺めてみると「これなら行けるかもしれない」と感じたことも、受験を後押ししました。

勉強法

午前Ⅰ

応用情報の合格によって免除。ここは大きなアドバンテージでした。

午前Ⅱ

勉強を始めたのは試験の2週間前。中学生の頃から「試験の2週間前から対策を始める」という習慣が染み付いていて、今回もそのリズムを踏襲しました。 1日の勉強時間はおおよそ5時間。使ったのは「 情報処理安全確保支援士ドットコム 」の過去問道場です。スキマ時間を使って全年度の問題を解き、間違えた問題はスクリーンショットして直前まで見返せるようにしました。

午前Ⅱは出題傾向がかなりはっきりしているので、全年度分を解いておくと「頻出のパターン」が見えてきます。暇な人はぜひやっておくと良いと思います。

午後Ⅰ・午後Ⅱ

午後Ⅰは比較的問題文が短く、午後Ⅱは長文ですが、いずれも「文章を読んで記述する」形式には変わりありません。そのため、午後Ⅰを重点的に対策しました。

大学の図書館で「情報処理安全確保支援士『専門知識+午後問題』の重点対策」という本を借り、各章に載っている問題(1章につき2〜3問、全10章程度)をテンポよく解きました。解答後はすぐに答え合わせをして、深く悩み込むことはせず、セキュリティ的に一般的な行動をシンプルに書くよう心がけました。 (例:「上長に相談する」など。)

また、試験1週間前にはメルカリで「 うかる! 情報処理安全確保支援士 午後問題集 」を購入しました。この本には記述問題の定番の言い回しや「合格答案の型」が載っていて、非常に役立ちました。今は 第2版 が出ているようです。

午後問題集

※帯は違う本の物です

試験当日

午前Ⅰ免除だったので、朝は10時過ぎに家を出発。試験会場に着いてからは午前Ⅱの間違えた問題のスクショを確認しつつ待機しました。

会場は地方の試験会場で、応用情報とは別室。他の高度試験の受験者と同室でした。印象的だったのは、結構空席が目立っていたことと、受験者の大半が40〜50代の男性だったこと。学生っぽい人で受けている方はほとんど見かけませんでした。

午前Ⅱはあっという間に終了。お昼休みは直前対策をするかと思いきや、私は受験勉強の「直前の過ごし方」に慣れていなかったので、ネットニュースを眺めて時間を潰しました。

午後Ⅰ・Ⅱは、想定よりも解きやすい印象でした。特に最近の事例であるLog4jの脆弱性が題材として出てきたのは印象的で、過去問よりもむしろスムーズに対応できました。

午後Ⅰ問2(PDF)

結果発表

Web結果画面

結果は合格。素直に嬉しかったです。 ただ、達成感という点では応用情報のほうが上でした。応用は範囲が広く、苦手分野を克服する必要があったからです。

一方、支援士は自分の研究分野と近い内容も多く、得意な領域で勝負できたことが大きかったのだと思います。

証書

後日、証書も届きます。 また、「登録セキスペ」の案内が届きましたが、学生の身分で登録料を払う意味を感じられず、登録はしていません。

これから受ける方へ

  • 過去問道場で午前Ⅱを潰すこと
  • 午後問題集で解答の型を知ること
  • 深追いしすぎず、セキュリティの基本姿勢をシンプルに書くこと

この3点を意識するだけで合格率はぐっと上がると思います。

特に午後試験では「難しい専門的知識を書く」よりも、「一般的に正しい行動を書く」ことのほうが重要だと実感しました。

参考書

暗号理論やモダンなセキュリティについて幅広く解説されており、セキュリティの基礎造りにオススメです。