私は数年前からNextDNSを利用している。
メルカリショップやメルコインをNextDNSで非表示にする方法 | mimoexのブログ
トラッキング防止や余計な広告ブロックをDNSレベルで実施でき、無料枠でもユーザ1人程度であれば十分である。
NextDNSには無数のブロックリストが用意されている。
初めて設定画面を開くと、その量に圧倒されるはずだ。

広告、トラッカー、マルウェア、地域別、拡張版、アグレッシブ版。
「全部入れた方が安全なのではないか」と考えるのは自然である。
しかし実際は逆だ。
ブロックリストは多ければ多いほど良いわけではない。
むしろ管理する思考が増えていく。
ブロックリストの正体
広告ブロックは企業のブラックボックス技術ではない。
世界中のボランティアが維持するオープンソースの集合体だ。
何百人もの有志が、日々ドメインを追加し、誤検知を修正している。
DNSレベルで広告を止められるのは、彼らの努力のおかげである。
ただし、ここに構造的な問題がある。
多くの有名リストは、同じ元ソースを取り込み、再構成している。
EasyList、AdGuard、Steven Black、1Hosts、OISDなど様々なリストがあり、
見た目は別物だが、内部は強く重複している。
つまり、複数を同時に有効化しても、防御面での増分はほとんどない。
増えるのは複雑さだけである。
なぜHaGeZiが中心になるのか
NextDNSコミュニティや実践的な運用例を見ると、最終的に議論はHaGeZiに集約される。
HaGeZiは単なる寄せ集めではない。
重複除去を徹底し、独自ソースを加え、さらに明確なホワイトリスト管理を行っている。
誤検知が報告されれば比較的早く修正される。
リストの規模よりも「メンテナンスの質」が重要であることを体現している。
HaGeZiのバージョンの選び方
その中でもMulti PROは、攻撃的すぎず、しかし十分に広い。
NORMALは安定寄り、PRO++はやや実験的。
日常運用であればPROが最も合理的な中間点に位置する。
FAQ・hagezi/dns-blocklists Wiki からの引用
Light
制限が発生する可能性はほぼない。
ブロック解除できる管理者が近くにいない環境や、大規模リストを扱えないAdBlocker環境に特に適している。Normal
基本的に制限は発生しない想定。
管理者がすぐに対応できない環境に適している。Pro
制限が発生することはごく稀。
ブロック解除可能な管理者がいる環境に適している。
問題が起きにくく、かつ十分なプライバシー保護を得られるバランス型(推奨)。Pro++
Proよりも攻撃的なバージョン。
一部で偽陽性が発生し、機能制限が起きる可能性がある。
経験者向けであり、誤ブロックを解除できる管理者の存在が前提。Ultimate
Pro++よりさらに厳格。
アプリやWebサイトの機能制限につながるドメイン(人気トラッカー含む)もブロック対象。
上級者向けで、誤ブロック対応ができる管理者が必須。
偽陽性に気をつける
ドメインブロックは副作用を伴う。
特に、CDNやAPIなどのメインのドメイン名と違うドメインが遮断されると 原因が分からないまま、壊れた状態になる。
私も試行錯誤していたときに、複数のブロックリストを使っていたとき、
えきねっとの決済ページでエラーが発生し、一時的にNextDNSではなく別のDNSにして決済を行っていた。
HaGeZi Pro1本化してから、DNS関連での問題は圧倒的に少なくなったと感じている。
問題は、どれだけ強くブロックするかではなく、 どれだけ壊れない構成を維持できるかだ。
なぜ他の巨大リストを足さないのか
OISDや1Hostsは優秀なリストだが、すでに多くの元ソースを包含している。
HaGeZiもまた同様の情報源を参照している。
結果として、併用してもカバー範囲は大きく増えない。
それでも人は追加したくなる。
数が多いほど守られている気がするからだ。
だがDNSはレイヤーの一部にすぎない。
広告除去の主戦場はブラウザ拡張であり、
DNSは基礎防御層である。
基礎を過剰に複雑化させる必要はない。
実際の最適解

HaGeZi Multi PROのみを有効にする。 必要であればNextDNSのThreat Intelligenceを併用する。
それ以上は、安心感のための積み増しになりやすい。
構成が単純であるほど、 予測可能であり、 デバッグしやすく、 精神的ノイズも少ない。
過去3ヶ月のアナリティクスを見てみたところ、ドメイン解決の25%がブロックされたドメインである。
1/4は余計な通信であることがわかって、興味深い。

なお、本記事で述べた構成は、これまで数年間の運用経験と現時点での検証を踏まえ、著者にとって最適と判断しているものに過ぎない。
今後の状況変化やリストの更新方針によっては、結論が変わる可能性もある。
また、利用環境や許容できる偽陽性の度合いによって最適解は異なるため、万人にとっての正解ではないことを付記しておく。