NAS構築日記 vol.1 の続きです。

ZFSファイルシステムを用いたファイルサーバを構築したいので、PCパーツについて考えます。

CPU

ファイルサーバだけの機能を利用するなら2コアで十分だと思います。 だた、Core2Duo世代のCPUをTrueNASで使うのはどうかと思いますので、その世代の場合はAlpine Linuxを使ってみるなど、考える必要があります。

Proxmoxでファイルサーバを組みつつ、仮想OSも動かしたいとなると、コア数は多めのほうが良いかと思います。 私は、Ryzen5 1600AFのマシンにProxmoxを入れています。

RAM

ZFSファイルシステムはRAMをキャッシュにするため、RAMがあればあるほど快適になります。 TrueNASのマシン要件を見ると、最低8GBとなっているため、

最低8GB、普通に16GB

といったところでしょう。

仮想マシンを動かすことも考えると32GB以上あっても良いかもしれません。 私は32GBにしています。

起動ドライブ

システムは1つのドライブを占有します。TrueNASのシステム要件には32GB以上のSSDが良いと記載されています。

TrueNASを使っていたときは、2011年発売の120GBのIntelSSDを使っていました。

Proxmoxでも同じようなストレージが良いと考えます。 もしも、ハイパーバイザで仮想マシンを扱うなら、予算が許す限り、大きなSSDが良いと思います。 私は余っていた512GBのSSDで運用しています。

Alpine Linuxで運用する場合は、USBにインストールして、RAMディスクで運用するのが良いかと思います。

PCケース

P101

ケースはPCパーツの中でも一番長く使えるものであって、後々の拡張性を考えるとそれなりに良いものを選んでおくべきだと思います。よって今回は拡張性重視で多くの3.5インチドライブを搭載できるATXケースを選択しようと思います。PCケースを探すのには価格コムの検索ツールが非常に便利です。

適当に8ベイ搭載できるケースを調べてみたところ、 Antec P101 Silent に決定しました。近場のパソコン工房にあるかなと思い訪店したのですが、価格が非常に高かったので実店舗での購入は断念しました。たしか1万5千円くらいしました。ツクモのネット通販では9千円台で購入できました。

余ってたマザボがATX規格でしたので、必然的にATXケースを選択しましたが、SATAのポートはMicroATXでも大体6ポートですので小さいものを選んだほうがケースも小さくなり、コンパクトなNASを構築することができると思います。MicroATXのマザボならば fractal designのNode 804 というケースを選んでいたかもしれません。

HDD

さて、NASで肝心なのはHDDです。すでに4TBのポータブルHDDでは2TB程度が埋まっていたので3TB以上は欲しいです。

容量当たりの単価を調べていると最近は8TBが比較的安価でコストパフォーマンスがよさそうです。冗長性と後の拡張性を考慮して、8TBを2台でミラーリングする方式をとります。のちに別の容量のHDDをストライプすることによって、手軽に容量を拡張することができると考えたからです。

各社からNAS専用ドライブが発売されていますが、どれも比較的高価です。私の周りでは海門のHDDを買って失敗した人を何人も見てきましたので、最近は良くなったと言われても少々怖いものがあります。

よって信頼性の高いドライブメーカーであるHGSTを傘下にもつWDのHDDを選ぶことにします。

WDのNAS向けドライブであるWD Red 8TBは2万円程度であり、少々高く感じます。2台導入するすることを考えると、できるだけ予算を圧縮したいです。そこで海外のホームサーバー界隈や自作erの間で話題のHDDおみくじ(ガチャ)を行いたいと思います。

HDDおみくじ・HDDガチャとは

WD Elements外箱

外付けHDDのWD Elementsシリーズを分解するとHGSTシリーズの廉価版やWD Red Pro相当のHDDが手に入るというものです。特にHGSTシリーズが入っている場合、ヘリウムガス充填モデルを安価に手に入れることができ、ガチャで言うところのSSRらしいです。 8TBの WD Elements は通常17980円ですが、Amazonのブラックフライデーで14980円で購入することができました。WD Red Proの8TBモデルから23000円も安くなっています。買うしかありません。

たとえSSRのHe充填モデルでなくてもRed Pro相当であることが報告されていますので、NAS用としては問題ありません。ただ、まったく同じモデルではなく、廉価版なので振動検知機能がなかったりするらしい…

殻割り

Amazonから到着したとき、段ボールの底に配置されていたので輸送中の振動などで壊れている可能性を否定することはできません。殻割は綺麗にできますが、保証対象外ですので割る前にウェスタンデジタルのユーティリティソフトで不良セクタが無いか確認しました。また、念には念を入れてFULL ERASEも行いました。書き込みエラーがないかチェックするためです。

1台は外周200MB/s程度の速度が出るのですが、もう1台は速度が安定せず、外周130~180MB/sしか出ません。試しに速度の出るほうのUSBケーブルをつないでみたら190MB/s程度を安定して出すことができました。

WDの外付けHDDはケーブルによって安定性が左右されるので、ちょっと面倒です。ずっと使っているポータブルの4TB HDDもUSBケーブルが不良品でコピー中にフリーズする現象に悩まされていました。WDサポートに連絡すると様々な解決策を提示していただきましたが、結局USBケーブルの交換で解消しました。

WDの外付けHDDはUSBケーブルに問題があるみたいですね

1日以上の時間をチェックに費やし、殻割を行いました。SATAで直接つないで速度計測を行ったところ、2台とも外周200MB/sの速度を出すことができ、190MB/s程度と200まで惜しいHDDではUSB3.0-SATA変換基板が原因だったみたいです…

冷却ファン

WD Elementsは外付けHDDだからと言って、低発熱なHDDではありません。 数分使っているだけで触れなくなるほど熱くなります。

ファンレスでは運用できません。 そんなものを外付けHDDにしていいのか?

PCケース搭載FANでも問題ないと思いますが、標準FANは風量の割に、騒音レベルが高いのでおすすめできません。

予算があれば、Noctuaのファンを選びたいところですが、私は予算重視で Arctic P14 というファンを使っています。

非常に静かな割に、風量もしっかりあり、比較的安いので選んでいます。

電源ユニット

24時間動作させることを考えると80PLUS GOLDあたりでしょうか。 それ以上になると、コスパが悪くなりますので…

電源容量はHDDを動かす程度ですので500W以下のもので十分だと思います。

ネットワークカード

できれば10Gbps対応のものを選び、家庭内LANを10GbE化するべきですが、私は予算がないので、マザボの1GbEのイーサネットポートを利用しています。

HDDの転送速度が外周200MB/sですので1GbEだと130MB/s程度の速度しか出ませんが、耐えれるといえば耐えられます。

もしも、SSDをキャッシュにしたり、ZFSのRAMキャッシュを最大限活用するならば10GbEを導入したいところです。